ナースキャップ

ナースキャップは、最近まで、ナースの象徴であり、またナースを目指す女の子達の憧れの対象でもありましたが、ここ数年で、ナースキャップを廃止する病院・医院が増えていることをご存知でしょうか。
ナースキャップの起源には、さまざまな説があります。中でも有力なのが、かの有名なナイチンゲールであるという説です。彼女が活躍していた頃から、ナースキャップは看護に従事する女性たちの象徴でありました。日本では戦前、明治時代〜大正時代頃から着用されるようになりました。
そんな長い歴史と伝統を持つナースキャップですが、十年ほど前から、さまざまな観点からその着用に関する問題点が指摘されるようになりました。まず第一に挙げられるのが、衛生面の問題です。看護師が仕事中常時身に付け、あまり洗濯される事がないナースキャップは、大変不潔であり、細菌増殖の温床にもなるという問題点がありました。第二に挙げられるのが、機能性・安全性の問題です。患者さんのケアを行う際に、カーテンや点滴器具などにぶつかってしまい邪魔であり、また危険でもあります。このような理由から、ナースキャップは単なるシンボルに過ぎず、実用的ではないと言う事で、廃止しようという声が拡がりました。
しかし、そんな考えに反対の声もありました。例えば、ナースキャップがないと気持ちが引き締まらないという意見や、制服の一部であり、やはりイメージを大切にすべきであるという意見、患者が看護師を区別できないのではないかという意見、他には、戴帽式(新人ナースが、初めてナースキャップを被る儀式)の感動が忘れられないから、という意見もありました。
ですが、やはり「廃止すべきだ」という意見が多数派を占め、ここ数年で次々と廃止する病院・医院が増えていきました。現場の患者さんたちは、実際に廃止されてどんな感想を持ったのでしょうか。埼玉県のある医療施設で行われた調査によると、キャップを外した事によって看護師だと分からなかったという人の割合、困ったという人の割合は、いずれも10%以下であり、それ以外の9割以上の患者は、廃止された事に特に不満がなかったようです。
確かに伝統やイメージも大切であり、実用性だけを考えて、廃止すべきだと一概には言えない難しい問題だと思います。ナースキャップばかりを取り上げましたが、他の職種の制服でも、似たような問題が指摘されてもおかしくないでしょう。あなたは、どう考えますか?